= あるえ物語 =
読書と神話、ときどき雑記 童心の権化あるえのブログ
= あるえ物語 =
読書と神話、ときどき雑記 童心の権化あるえのブログ

【北欧神話3】主神オーディンの際立つ貪欲さがわかるストーリー

 

ー北欧神話小話ー 

"オーディンとその兄弟が巨人の王ユミルを殺し、その巨大な頭蓋骨で天を創った際、ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリという名の四人の小人に一緒にその天蓋を支えることを命じた。彼らはそれぞれ四方位に別れ天を支た。これが東西南北、方角の概念となった。”

 

 

今日は北欧神話における主神オーディンについて書いていきます。

特にオーディンの系譜や従えた動物、またどのような役割があったかをお伝えしたいと思います。

オーディンと言えば色々な作品で名前を目にしたことのある人も多いと思います。前にもお伝えしましたが北欧神話は色んなところでモチーフになったり引用されています。

f:id:Ryo_9119:20190702112859p:plain

オーディン

オーディンは戦争と死、呪術、そして知識と詩芸を司る神と言われています。多くは長い髭を蓄え、片目がない姿で描かれています。ヴァルハラでは黄金に輝く鎧を纏っている姿が特徴的ですが、地上ではつばの広い帽子を深くかぶり(理由は後述)、青いマントを着て魔法の槍グングニルを持った老人として描かれることがほとんどです。

オーディンの系譜


父は神であるボル、母は女巨人のベストラで半神半巨人ということになります。ちなみに前回の記事から「神」や「巨人」と書いてきましたが、違いは体の大きさなのか?と聞かれれば答えはノー。確かに巨体の巨人が描かれる場合もありますが、この絵のようにユミルでさえオーディンら(半巨人ですが)と同等の大きさで描かれる事もあります。

f:id:Ryo_9119:20190702112912p:plain

ユミルに襲い掛かる三兄弟

神と巨人の明確な違いの答えは善と悪、秩序か混沌か、となります。よくわからんって人もいるかと思うのでわかりやすく言えば人間に好意的か好意的じゃないかの違いです。掘り下げれば、フヴェルゲルミルと言う泉から湧く水の毒が体の構成に関わっているかの違いかもしれません。

かなり脱線しましたが、続いては兄弟です。弟にはヴィリとヴェーがおり、彼ら兄弟は3人で原始の巨人ユミルを殺し、世界と人間を創ります。ただこれ以降二人はあまり作中には登場しません。一応「ロキ」という神の話の中で触れられることはあります。ロキについては北欧神話においてかなり重要な存在ですので別の記事で。

次に妻は愛と結婚と豊穣の女神フリッグで、彼女との間に息子のバルドルがいます。正妻であるフリッグに対しては頭が上がらないことが時々あったようで、フリッグは独自の考えを持ち、夫の言うことに黙ってついていくだけの女性ではなく、時には夫を陥れることも厭わないような女性でした。また優れた予言の能力を持っているが決して口にはしませんでした。

息子のバルドルは光の神であり最も賢明で、美しく光り輝く美貌と白いまつ毛を持ち、雄弁で優しい存在、言わばアース親族のアイドル的存在でした。

しかしある日から悪夢を見るようになると、心配した母は万物も彼を傷つける事ができないように契約させます。これによりいかなる武器でも彼を傷つけることは出来なくなりました。しかしこのとき実は、たった一つ、ヤドリギだけは若すぎて契約が出来ていなかったのです。これが後に語られる「神々の黄昏ラグナロク」のトリガーの一つとなります。

 

f:id:Ryo_9119:20190702113859p:plain

ワーグナー楽劇「ワルキューレ」のフリッグ

ここからは、側室或いは愛人とその子供達。

オーディンは多くの女性と交わり子をもうけますが、単に浮気癖があったからとか好色家であったからかと言えばそうではない。たしかにそういう一面もあったかもしれないが際立っていたのは、彼の物欲と知識欲。自らが欲するものはたとえ我が身を捧げようが手に入れる神でした。

ゆえに彼は欲するものがあればそのために女性を利用する事も、服従させることも厭わなかったのです。最たるはグロンズという巨人の娘との話がある。霜の巨人のスットゥングが隠していた詩の蜜酒を略奪するためだけにオーディンは、スットゥングの娘であるグンロズの前で美青年の姿に化け3夜を共にした後、彼女から3口分の蜜酒を飲ませてもらい、鷲に化けてアースガルズにトンズラしたのだ。

グロンズとの間には子は確認できていないが、他の巨人の娘であるヨルズとの間にトール、グリーズとの間にヴィーザル、リンドとの間にヴァーリが生まれている。

母親は未詳ですがホズ、ヘルモーズ、ブラギ、ヘイムダルも彼の息子と言われている。

オーディンの従えた動物達


オーディンは動物とともに描かれる事もある。彼の愛馬は八本足のスレイプニール。スレイプニールの出自の話も面白いのだが、これは「ロキ」の記事で書くとする。端的に言えばこの馬はロキという神の子供である。

フギンとムニンという二羽の ワタリガラスも従えている。フギンは思考を司り、ムニンは記憶を司る。二羽を世界中に飛ばし、持ち帰るさまざまな情報を得ていた。

足元にはゲリとフレキという2匹の狼がおり、オーディンは自分の食事はこれらの狼にやって自分はワインだけを飲んで生きているという。

f:id:Ryo_9119:20190702112905p:plain

オーディンとスレイプニル、二羽の鴉、二匹の狼

オーディンが司るものに纏わる話


オーディンが司るものは先述しましたが詳しくは以下の通りです。

戦争と死の神:戦争を起こし、死者を司ることができる

北欧神話ではテュールという神が戦神とされていますが、オーディンも戦争の神として活躍します。その理由は策略や戦術の才に長けており、呪術や魔術を使って戦局を操ることが可能だったからです。わざと人間の王侯たちを不仲にし、戦争を起こさせるよう仕向けたこともあります。
しかも、あろうことか戦争の勝利者を誰にするかはオーディンの意思ひとつでした。加護を与えると決めた王侯にはその力を惜しみなく授けたため、多くの王侯たちはオーディンに取り入ることで勝利を手にしました。
しかし、オーディンの加護は気ままで移ろいやすく、勝利を手に入れた王侯たちがすべて無事にハッピーエンドを迎えるというわけにはいかなかったようです。王侯達は見放されぬ様に必死になったのでしょうね。

また人間の戦争での戦死者についてはエインヘリャルという英霊としてヴァルハラに導かれることから死者を司るとも言われます。今思えば、人間の戦争は全てラグナロクの準備として利用または引き起こされたのかもしれない。


呪術の神:ルーン文字の秘密を司る

オーディンはユグドラシルの根元にあるミーミルの泉の水を飲むことで知恵を身に付け、魔術を会得します。片目はその時の代償として失ったとされそれを隠すために帽子を目深に被っているとされています。

また、ルーン文字の秘密を得るために、ユグドラシルの木で首を吊り、グングニルという槍に突き刺されたまま、9日9夜、自分を最高神オーディンに捧げたという。つまり自分を自分に捧げたというとんでもない話である、彼が如何に貪欲かが見て取れます。ただこの時は縄が切れて助かったらしい。なおタロットカードの大アルカナ XII 「吊された男」は、このときのオーディンを描いたものだという解釈がある。

f:id:Ryo_9119:20190702112919p:plain

ルーン文字


知識と詩芸の神:詩人に才能を与える力を持っている

彼が知識について如何に貪欲であったかはこの記事内でもすでに書かれている通りです。呪術やルーン文字の秘密をその身を捧げて手に入れ、フギンとムニンを遣い世の事象を知り、時に女性を騙し「飲めば詩人や学者になる」詩の蜜酒を飲み持ち帰ることで神々や人間に詩の才能が与えられた事が知識と詩芸を司ると呼ばれる所以ですね。詩の蜜酒の逸話も先述では触れませんでしたが、奥が深く前の記事で書いたヴァン神族との戦争終結が関わっています。


あとがき

以上が今回の記事で語るオーディンについてです。

しかし、オーディンに関しては他にも多くの逸話があり、とても書ききることはできませんので他の神々絡みの話はそちらで書くとします。

この記事ではオーディンがいかに狡猾で貪欲か、また主神であるにも関わらず、ある意味人間くさく、泥をかぶるのも厭わない存在かわかりましたね。こういった点から私的には神というよりは王というイメージが強いです。

またオーディンは二つ名が多いことでも有名で、全知全能の神、詩の神、戦神、魔術と狡知の神、片眼のもの、姿を変えるもの、真実をおしはかるもの等60を超える呼び名があります。

 

次回は・・・ロキの事を書くかな?第二の主人公、全ての元凶となる存在。

ではまた♪

 

★北欧神話の記事一覧作りました★

  ↓      ↓      ↓

https://www.ales-story.com/hokuousinnwa

 ↑      ↑      ↑

気になる方はこちらから全話見れます♪

 

※神話の内容につきましては諸説あります。この記事の内容はあくまで私の得た知識から成り立つものとなりますのでご了承くださいませ。