= あるえ物語 =
読書と神話、ときどき雑記 童心の権化あるえのブログ
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犬夜叉で有名な「四魂の玉」その由来を古神道から学ぶ

" 害心と 願望混じる 梅雨の雲 "

 

ども、あるえです。しばらく雨が続くようですね。

昨今、雨を忌み嫌う者と待ち望む人では、前者の方が多いのではないでしょうか?

私達が生活する上で必要な水や食物は天の恵みによって与えられています。例えばダムが枯れれば生活用水に困るし、水が枯れてしまえば米や食物を育む事はできません。

とは言えその量が増えすぎると人間にとって脅威となり得るのも周知の事実。西日本豪雨から学んだ多くを忘れてはいけない。もう一年経つのですね。

月曜日からがつがつしてもしようもないし、こんな日はゆるりと日本の話しでもしながら休憩といきましょう。

 

 

今日話すのは神話というか、古神道と呼ばれる霊魂観についてです。

古神道は日本神話と繋がりはありますがどちらかと言うと後付された要素が多いです、しかし独特な世界観を持ち自然崇拝、先祖崇拝と言う教えがあり、祈祷や占いを行っていました。

現代における一年の吉兆を占う「おみくじ」は神職による祈祷と占いを簡素化したものであるし、「お盆」のそのしきたりや形式は先祖崇拝から受け継がれ、雷を五穀豊穣をもたらすものとして「稲妻」と呼んだと言われています。

ひとえに古神道と言っても実は人によって唱えるものが違う、言わば宗教のようなものでした。その中で「四魂」に関する霊魂観は「本田親徳」によって唱えられたものです。

犬夜叉における四魂の玉

 まずはタイトルであげた高橋留美子先生原作の漫画「犬夜叉」の中での「四魂の玉」について触れていきましょう。

「四魂の玉」の成り立ちについては漫画内で「翠子と呼ばれる巫女がおり、一度に10匹もの妖怪を浄化できるほどの強力な霊力を持っていた。そのことを良しと思わぬ妖怪たちは徒党を組み一人の人間の男に乗移り翠子と7日7晩の戦いを繰り広げ、最期は妖怪に食われかけた翠子が己の魂中に妖怪たちの魂を封じ、互いの善と悪の魂が融合した四魂の玉が生まれた」とあります。

それゆえに、手にするものの心に作用され善にも悪にもなりました。

古神道における一霊四魂

では古神道における「四魂」はどの様なものでしょうか。「本田親徳」によって提唱された四魂の概念は正しくは「一霊四魂」と呼ばれており、一般的な解釈では神や人には四つの魂があり、それら四魂を一つの霊がコントロールしているというものです。

4つの魂と1つの霊にはそれぞれ働きがあり。

荒魂(あらみたま)は勇の機能であり行動力を意味します。また耐え忍びコツコツと継続する力でもあります。外向的な人は荒魂が強いと言われます。

和魂(にぎみたま)は親の機能であり親しみ交わるという力です。平和や調和を望み親和力の強い人は和魂が強いと言われます。

幸魂(さきみたま)は愛の機能であり人を愛し育てる力です。思いやりや感情を大切にし、相互理解を計ろうとする人は幸魂が強いと言われます。

奇魂(くしみたま)は智の機能であり観察力、分析力、理解力などから構成される知性です。真理を求めて探究する人は、奇魂が強い。

そして直霊(なおひ)はこれら4つの働きをフィードバックします。例えば、勇の働きが強すぎると「自分を押し付けすぎると嫌われるよ」智の働きが行き過ぎると「分析や評価ばかりしていると、嫌がられるよ」という具合に反省を促す。つまり「省みる」という機能を持ち良心へと導くのです。

しかし悪行を働くと、直霊は曲霊(まがひ)となってしまい、四魂の機能は邪悪に転換されます。このあたりは犬夜叉と類似していますよね。

私の考察にはなりますが、これらの概念には"第三者の視点で自己分析をしっかり行うことにより善人であり続けられる"と言う想いが込められているのではないでしょうか。

霊魂観の扱いと本田親徳

本田親徳によって唱えられた一霊四魂は明治以降に広められた特殊な霊魂観ですが、神道辞典などには一霊四魂という名称さえ掲載されていないらしい。

また「魂には大きく荒魂と和魂の2種があり、和魂にはさらに幸魂と奇魂の働きがあるとしており、四魂としてまとめてみるようなことはしていない」と度々否定されることもある。

しかし近世になって、一霊四魂は本田霊学系の後継者によって、古神道の霊魂観として重視され世に広まっていくことになりました。

 

最後に一霊四魂を生み出した本田親徳という人物像を紹介したい。

彼は明治時代の神道家で薩摩藩士・本田主蔵の長男として生まれます。 幼い頃から漢学を学び、17歳の時に京都に遊学。その後江戸に移り国学や和漢を修める。天保14年に京都に滞在中「狐憑き」の少女と出合ったことをきっかけとして神霊の研究を本格的に始める。門外不出の伯家神道を体得していた高浜清七郎とも深い交流があった。

あとがき

一霊四魂は古神道と言えど比較的新しい概念ですね。漫画の題材として扱われそして多くの人にその名を認知されました。かく言う私もその一人です。

私の神話好きは元はと言えばゲームや漫画好きが転じたもので、そこで知った情報が気になればすぐ調べて知識欲を満たす事が喜びでした。そんな私は奇魂による智の機能が強いのかもしれませんね。

そしてすばらしい知識にめぐり合えた事を高橋留美子先生に感謝します。

 

休憩といいながら気づけば2200文字、書き出したら止まらないのも性である。

 

ではまた。

 

PS:北欧神話のお話は書きたいことが多すぎるので整理しながらゆっくりいきます。他の神話についても順繰り書いていきます。